それは静かな1週間でした(微笑)。
サクラマスという ソワソワ & ドキドキ の対象に心焦がす日々も悪くはありませんがあ、たまにはクールダウンも必要でしょう。
まぁ、ガソリンの高騰っぷりも酷いですしねぇ。同じ道楽(私の場合「道落」とも云う)を嗜むなら物理的移動を伴わない方を選択する方が賢明かと…。
とかなんとか常識人めいたことを綴っていますが、何のことはない…今週は「追波川プチ遠征」が出来ない状況にあっただけなんですけどね(苦笑)。
ってなわけで、此度は木彫メインの備忘録を綴らせて頂きましょう。お時間の許す方は、どうぞお付き合いください。
硬い材料を相手に
ここ最近は、木彫に力を入れています。
と云っても、これまで取り組んできた彫刻・彫塑とは趣が異なっています。それは、使用する材料「黄楊」が大いに関係しているようです。
黄楊(つげ)の用途で一番知られているのは印鑑でしょう。硬質で変形し難いことから、印鑑登録に対応可能な材料として永らく活躍してきました。
それから「黄楊の櫛」なんてのも聞いたことがあるでしょうか。やはり櫛の歯が欠け難いのと、髪の通りが良いので重用されたようです。
一方、DIYなどの趣味や一般的な彫刻を嗜む人にとっては、馴染みが薄い木材だと思います。前出の通り、加工に不向きな材料だし、流通が限定的で、想像以上に高価(木の宝石とも)なので用途が限られると(汗笑)。
とまぁ、そんな難敵と格闘する日々を送っておりましたが…。
昨夕、深堀りしている際に、印刃の刃先を折りました(泣)。下写真(左上)を見て頂くと分かる通り、先端(1㎜程)が欠けてしまったのです。
ってなわけで、久しぶりに荒砥(800番)を物置から引っ張り出してきました。がしかし、この刃欠けには荷が重かったようです。
と云うことで、ダイアモンド(400番)に出張ってもらいました。少々錆び気味でしたが、しっかり働いてくれましたよ。
肉薄の刃物鋼(青紙2号)なので、「刃を研ぐ」というよりもむしろ「刃をおろす」と表現した方が相応しいくらいです(汗笑)。
ダイアモンド以降は、800番〜1000番〜6000番〜天然砥石の順に番手をあげて仕上げました。それでも、かなり時短できたと思います。
そうそう、この機会に刃の角度を変えることにしました。
黄楊って、ただ硬いというのではなく、高密度で独特な粘りがあるんですよね…。それに対応できるよう、刃角を少しだけ鈍角に設定してみました。
これから暫くの間、この難敵「黄楊」を相手に技量を上げていこうと考えています。作品の方は、秋風が吹く頃になればご紹介できるかもしれません(微笑)。
私的読書史:5月
結局のところ、1ヵ月に1回の割合が通例化した「私的読書史」ですが、腐らずに継続していきたいと思います(苦笑)。
と云うことで、上半期のリストは以下の通り。
「「戦争」が〜」の内容は、題名通りの本です。
長野県の上田市にある「無言館」という戦没画学生慰霊美術館に収蔵されている作品が多く掲載されていたこともあり、先月から継続して借りてしまいました。
無言館には、長野市で暮らしていた頃に何度も足を運びました。上田市のロケーションをこよなく愛していたことも間違いなく影響していますね(微笑)。
当然のことながら、慰霊美術館という性質上、館内は厳粛で沈痛な空気に満ちています。けれども、無言館を囲む環境は平穏にして長閑そのもの…。
この「内と外の違い」が、鑑賞者にとって重要なのでしょう。平和であることの稀有さを感じることができる場所だと私は感じています。
この緑に囲まれた小さな美術館とあわせて、前山寺や別所温泉と云った名所旧跡を訪ね歩くのが、この上ない余暇の過ごし方でもありました。
再訪したい場所のひとつになっています。
それから「聖徳太子信仰〜」も面白かったですね。
聖徳太子ってのは、何れの世にあって尊敬を集めた人物かと思いきや、熊沢蕃山(岡山藩士・陽明学者)をはじめとして、名うての識者・学者たちが、聖徳太子に対して大真面目に批判していることを初めて知りました。
私の日常的な行動範囲の中にも聖徳太子を祀る「太子堂」が散見されますが、こうした信仰とは別に、批判の対象になっていたという史実を興味深く感じています。
そして、下半期は以下の通り。
- 日本のネズミ
- ザ・ネズミ
- 日本の昔話
- 日本民具の造形
- 立体妖怪図鑑 モノノケハイ
- 江戸の庶民信仰
ほぼほぼ資料ですね。
特に「ネズミ」は完全に作品用ですね。でも、意外と体各部のディティールについて詳細に触れている本が無いということが分かりました。
だから、念には念を入れて、図書館の調査コーナーで探してもらったのですが(諦め悪し)、私のニーズに合致した本は少なかったですね…(ほぼ皆無)。
※学芸員さん3名体制で動いてくれました(感謝)。
それから、民具については更に掘り下げていきたい(テクニカルな部分と多様な表現方法を知りたい)ので、よりマニアックな書籍を探していこうと思います。
それは「自分で作りたい」というわけではなくて、民具がまとう「用の美」なる空気感を、もっと深い部分で感じれるように練磨していきたいのです。
さてと、一年も半ばを迎えようとしています。
残りの期間で、どんな本と出会えるのでしょうか?それもまた密かな愉しみでもあり、小さな幸せにもなっているような気がしています。